エギングコラム9

鍵さん

2010年12月24日 12:44

これから始める!エギングエキスパート養成講座 その9

本日のお題;「ラインの角度によってエギの動きやアワセに影響が出るか?」どうでしょう?



これは12月20日前後に捕獲した1734gです。長さの割りに、とてもデブちゃんで重いイカでした。


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12月21日の釣果情報です。


平均サイズが1kg前後になってきました。


思いっきり遠投して、1分くらい沈めて様子を見ていると、既に喰っていることが多いです。


最初のフォールで喰わない場合でも、少し跳ねさせて再び10秒ほど沈めていると

ためらっていたイカも食いついてきます。ラインにもたれるようなアタリが出ます。


この日は皆既月食でした!釣り場について、「今日は月がない!」(ツキがないわけではない)

とわめいていると、しばらくして赤銅色の掛けた月が現れました。

エギングをしていて月食に遭遇したのは2回目です。

使用エギ エギ王LIVE 3.5 ダークオリーブ金テープ (某オサダに沢山補充されてました)

潮流が速い場合は、一箇所で粘ってみるのも良いです。

回転すしよろしく、イカが潮流に乗ってどんどん流れてきます。

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エギングコラム9回目、本日のお題は・・・・

「ラインの角度で、エギの動きやアワセに影響が出るのか?」

というテーマで考えましょう。

なぜこのテーマを選んだかというと、以前にこういう話を聞いたことがあったからです。

「イカがあたった時に、上にアワセると(上方向にロッドを振り上げると)外れるような気がする」

「ロッドを上に跳ねないと、エギが高く跳ね上がらない」

「ダートさせるには、ロッドを寝かせた方が良い」

これは釣り雑誌などにもまことしやかに書かれていたりするのですが・・・・

結論から逝きますと、

「余程の足元でもない限り、ロッドの角度によって影響は出ない」です。


具体例で考えましょう。

仮に50m投げた時の事を考えます。

海水面上でのラインの角度に注目します。

ほぼ海面と同じ高さに立っていると考えて、ロッドを下げて構えた場合が0m、ロッドを立てて構えた

場合を2mとします。(これはロッドの本来の長さではなく、力が作用した場合の作用点の高さです)

両者にどんな違いがありますか。

単純にライン角度で比較しますと、

立てた場合 sinθ=2/50=0.04 θ=2.5°位

寝かせた場合 θ=0°

約2.5度くらいしか変わりません。2.5度ではエギの動きは、変わりようがないですね。

加えて、ラインが重力の影響を受けて、懸垂曲線(カテナリー)を描いていることを考えると

(電線が弧を描いている、あの曲線ですね)

海水面ではロッドを立ててもほぼ0度になるはずです。


少し近づいて、25m位まで来た時のことを考えましょう。

同じ条件で、立てた場合 2m

      寝かせた場合 0m

とします。

立てた場合  sinθ=2/25=0.08 θ=5°

寝かせた場合 θ=0°

約半分の距離まで巻いてきても、ほぼ5度位しか変わらないことが解ります。

当然エギの動きには殆ど違いは生じません。

足元ではどうでしょうか。

足元5m位まで巻いてきた時の事を考えます。

立てた場合 sinθ=2/5=0.4 θ=24°

寝かせた場合 θ=0°

足元でも30度に満たないのです。

であれば、「上に跳ねるか、横に動かすか」は 沖に投げている場合殆ど差異を生じない事になります。

アワセもまた然り。影響ありません。


更に水の粘性についても考えてみますと

そもそも海水中で、ラインが空気中と同じようにまっすぐに伸びていることなど殆どありません。

プールや実験水槽などで試しても、どうしても海水中と空気中でラインに角度ができてしまいます。

いかにPEラインといえども、水の粘性を斬るにはかなりの抵抗が掛かるのです。

エギの重みが掛かったくらいの張力で、さくさく水を斬ってまっすぐになることは難しいのです。


では、様々なジャークパターンには意味がないのでしょうか?

遠投したエギに対し、ラインの角度を劇的に変えることはできないのですから、「角度」に限れば

どれも同じ、ということになります。

しかし!違うのは力の加わり方、そして周囲の状況だと筆者は考えています。

手首を返すように横向きにジャークするのと、縦に振り上げるのでは、人によってエギに掛かる

力が違ってくると思っています。ロッドの捌き方を変えると釣果が変わるように思えるのは

恐らくエギに伝わる力の強さや衝撃が変わって、アクションが変化したためだと思われます。

どのジャークが得意、という方も居られるでしょうし、全く別の方法が

やりやすいという方も居られることでしょう。得意な方法でジャークしていただいて大丈夫だと思います。


そして周囲の状況です。

烈風吹きすさぶ足場の高い防波堤で、上にロッドを振り上げようものなら、糸ふけが飛ばされて

釣りになりません。こういうときは堤防にしゃがみこんで、ロッドを海面に向けてジャークする

しかありませんね。ロッドの角度は、主に空気中の状況に対応するために生かすことができます。

そしてロッド「角度」でアクションに違いが出ないのであれば、逆に強さを自在に変えることで

限られたロッドの振り方しかできないとしても、多彩な動きを演出できるということでもあります。


まとめ

足元でもない限り、ロッド角度によってエギの動きやアワセには影響は出ない。

角度に影響は出なくとも、振り方によって「伝わる力の強さ」が変わるので、これを生かす。




ということでした。

さて、だんだんイカの平均サイズがアップしてきたところで、次回は

「大型を狙って釣るには、どうすればよいか」

を考えます。

ちなみにこれは、春の巨大イカの狙い方 とは異なり、冬場に1~2kgを狙って釣る方法です。

お楽しみに!

                           (鍵師)

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