これから始める!エギングエキスパート養成講座 その5
本日のお題;エギの動かし方・応用編
さて今回は、第3回のエギの基本的な動かし方に加えて、別の動かし方、または一連の動作・誘いの
中にスパイス的に組み込むことで、釣果をアップできるかもしれない!エギの動かし方について
扱います。
「かもしれない」と書いたのは、これによって釣果が「かならず」アップするわけではないからです。
それぞれ有効な分野、場面、状況がありますので、経験を積みながら実釣で自分のものにしていって
ください。
「動の操作」
①ダート
ロッドをエギの方にまっすぐ向けます。この状態から、リールを巻きながら ちょんちょん!と
連続でロッドを煽るのですが、筆者はこの時、リールのハンドルを下に向け、ロッドを横に振ると
やりやすいと感じています。ロッドを立てて、上に煽る方法もあります。
いずれのやり方にせよ、ロッドの振り1回に対し、リールを1回だけ巻く動作です。
どちらかというと、リールの巻きに対し、それに合わせてロッドを振る感じです。
文章で書くと大変ややこしいですが、リールのハンドルがリールシートに一番近い位置から
一番離れた位置までの半回転を、ロッドのグリップとリールのハンドルを引き離すように急激に
回します。ロッドは体のほうに引き付け、リールのハンドルは押し出す感じです。
この動作によって、エギが跳ねながら左右に頭を振ります。これがダートです。
広範囲のイカにエギの存在を気づかせることができ、イカを引き寄せることができます。
何度かのダートの後、必ずエギを沈めて「喰わせの間」を与えましょう。
初めてこの動作をしようとすると、右手と左手の動きが合わず、ぎこちなくなるかもしれません。
巧くなるには、テレビでも見ているときなどに、ロッドを振りながらリールを回してみる、という
練習法があります。動きがしっくりくるまで、ぼんやりと回し続けます。過度に操作を意識しなくなる
ので、無意識のうちに体が覚えてしまいます。
周年通して、基本となる操作方法です。
ダート回数や沈める時間、間隔を変えることで、広範囲探索にも拠点攻略にも使えます。
②スラックジャーク
ジャーク(ロッドを煽る)する前に、糸のたるみを作り(お肌のたるみは気にしない)
そのたるみを瞬間的に張ります。
エギを力で跳ねる、というよりは、本当に「糸のたるみをパシッと張る」感じです。
張った後はすぐさま糸を緩めて送ります。移動距離が少なく、一箇所でネチネチ優柔不断なイカを
陥とすには有効な方法ですが、反面手返しが悪く、広範囲探索には向きません。
イカが居ることが明らかな場合や産卵期の藻場などで使用します。
③シェイキング
これも拠点攻略で多用する方法です。エギを跳ねさせるのではなく、ロッドで小刻みに連続で
揺すり(強請りはいけませんが)エギをひょこひょこ動かします。底に付けて行うのが一般的ですが
中層で行うのもイカが迷っている場合大変効果があります。また、藻にわざと引っ掛けて延々ゆすり
続けるのは、産卵期のモンスターを陥とすのに無類の効果を発揮します。あ
これもゆすりを時々止めて、喰わせの間を与えましょう。
④中層バンピング
広大なエリアを即チェックできる攻略法です。
深場攻略用のDEEPタイプのエギを使用します。これを遠投し底を取り、跳ね上げるまでは一緒
なのですが、フォール(沈める)時間は7秒前後と大変短いです。底付近の中層を7秒間隔で
ウサギが跳ね回るような感じです。(何てファンタジーな)
一見めちゃくちゃな攻略法に見えますが、イカの活性が揚がってガンガンアタックしてきますし
いち早くイカの居所を突き止めることができます。深場のブレイクに溜まったイカの群れを
ジャンジャン引っ張り出していく強さがこの方法にはあります。
欠点といえば、基本的にテンションの高い釣り方なので、とても低活性な時はけっこう釣りもらす
ことがあります。たまにはボトムステイで様子を見ることにしましょう。
餌がちょろちょろ逃げていくだけで捕らえられないというのは、イカ様にとってもかなり腹が立つ
様で、アタリの出方も激しく、エギをバキバキにかじられてしまうことがよくあります。
⑤下段ちょんちょんジャーク
スラックジャークの応用のようなものですが、大型打率がとても高い攻略法です。(2008年2-3月参照)
ロッドを真下に構え、下に振り下ろすようにちょんちょんと軽くエギを動かします。
エギの動き自体は極めて地味なので、どちらかというと拠点攻略向きですが、足場の高い堤防などで
ダートさせたい時や風が強い時などもこの方法が使えます。
「静の操作」
⑥ステイ
その名の通り、ただ止めておくことです。これをテクニックと呼ぶにはあまりにも…な感じですが
イカがエギを抱くのは、ほぼステイ中です。であれば侮ることはできません。
というのも、ステイは単に底に留め置くだけではないからです。潮流を利用して中層で止めることも
できますし、藻などを利用して止めることも出来るからです。
実際、イカが多いところであれば、ステイだけでイカを釣ることができます。(もっとも、それを
ガマンできれば、の話ですが)
冬場、早春など水温が低く活性が低い時は、ステイの間隔を長めに取ると効果的です。
また、潮流が自分の足元から沖に流れていくような場合、ラインを張ったままにしておくと
エギは潮流に引っ張られて沈まず、その場にとどまります。いわゆる「ドリフト・ステイ」です。
この時に、「シェイキング」などを織り交ぜると中層をうろついているイカに効果があります。
更に、ちょんと煽ってエギを横に向かせ、潮流を当ててどんどん沖に流していく攻略法もあります。
春のモンスター攻略法のひとつに、「ダート&ステイ釣法」というのがあります。浅い藻場を探し
次いで手前10m~20mに砂地などの引っかからない場所を見出します。
ここで、藻場の沖にエギを投げ、あまり沈めずに藻の上っ面をぽんぽんとダートさせてイカを
誘います。藻に沈めると引っ掛かってしまうので、ここではあまり沈めず、エギを見せてイカを
誘い出すだけにします。エギの動きを目で追い、さらにその後ろや周りを良く見回します。
うまくイカが着いてきたら、手前の砂地までイカを誘い出し、そこでおもむろにステイさせます。
イカがエギを持ち去るまでひたすら待ち、途中で躊躇するようなら軽くチョンと跳ねさせます。
春の巨大イカを釣るのに大変効果のある方法です。
それぞれの操作法には得意分野と不得意分野がありますので、是非身に着けて、あらゆる状況に
対応できるようにしましょう。
さて、基本的な操作を習得したところで、次回はエギングの「利点」を最大限に活用する方法を
見てみましょう。餌釣りと何が違うのか!?エギングの利点が判れば、ほんの短時間で、餌釣りの
比ではない位釣れまくるようになります!ご期待ください。
(鍵師)